教員免許 (阪大科目等履修生)

私は学部3年で大学を中退して，NAISTに入学したため(いわゆる飛び級)，通常学部4年で行われる教育実習を行っておりません．

また，学部3年間ではカリキュラム上どうしても取ることのできない科目が1つありました．

折角，ここまで頑張ったのに，ということで教員免許を非常にイレギュラーな形で取得するまでの記録です．

動機

阪大入学以後，高校の数学と情報の教員免許を取得するべく，単位を取得してきました．夜遅くまで大学に残って余分に授業に出て，夏休みは小学校に演習の名の下，手伝いに行ったり……．

しかし，飛び級をしてしまうと，通常学部4年で行われる教育実習を行うことができません．また，情報免許取得に必須の「マルチメディア工学」を大学カリキュラム上，学部3年間では，取得することができませんでした．

NAISTでは教育実習を取り扱っておらず，どうしようかと悩みました．

免許は諦めてでも，飛び級する，と思いはしましたが，諦めきれず色々としらべてみました．

飛び級で教員免許を取得するのにあたって出てくる主な問題点は次の通りです．

まず，基礎資格についてですが，免許取得には，基本的に「学士」の資格(大卒)が必要です．しかし，飛び級では一般に退学で進学しますので，「学士」は取得できません．ところが，教育職員免許法の規定では

教育職員免許法 別表第一 備考
二の二　第二欄の「学士の学位を有すること」には、
文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認めた場合を含むものとする

とあるので，修士の学位を取れば(大学院を普通に修了すれば)問題ないと思われます． (阪大基礎工教務にも大丈夫だと確認を取りました)

次に，単位についてですが，できる限り大学3回を終わるまでに取るように努力しましたが，どうしても「マルチメディア工学」を取得することができません．そこで，阪大に科目等履修生として入学し，受講することにしました．教育実習についても同様で，NAISTでは受講できないため，阪大で履修しました．

ただ，同時に2つの大学に在籍することになり，いわゆる「二重学籍」なるのですが，これが大学が認めていない場合があります．幸いどちらの大学も，問題ないとの回答をもらいました．

教育実習については，2009/6/1～15の日記をご覧下さい．

「マルチメディア工学」は，内容的に私の苦手な分野で，単位が取れるかどうか，非常にやきもきしていたのですが，なんとか，しかも望外の標語「S」で単位取得できました．

さて，単位の取得の後は，免許の申請を県にしないといけないわけですが，「修士」の学位を取得しないことには申請できません．

2011年の2月末になって，なんとか修士号が取れることが決まったので，まず住所である奈良県に，私の状況を説明して必要な書類を聞きました．

各種様式は県のウェブサイトからダウンロードできます．これらを県庁に持っていくか，郵送してくださいとのことでした．また4/1付けで発行するためには3/25までに到着していないといけないとも聞きました．

教員免許取得にかかった費用は次の通りです．概ね13万円程度かかりました．

仮に阪大の大学院に飛び級した場合は，受験料・入学料・授業料は不要ですので， 2万円程度で済んだことになります．かなり割高になってしまいましたが，よい経験ができたと思っています．

飛び級での教員免許取得は，相当しんどいです．特に事務手続きや，事前の相談などが非常に面倒です．

しかし，苦労した分，教員免許を手にしたときの嬉しさは格別です(と思います)．また，教育実習の経験はお金で買えないとても貴重な経験です．

正直，大学入学当初に今戻ったとしたら，免許取得はもう目指さないと思いますが，今思えば，とてもよい経験ができたと思ってます．

このような形で免許を取得する人は少ないかとは思いますが，ぜひ，頑張って下さい．